沈黙するオトコ
あれは長く付き合った彼と別れ、会社の後輩かつ恋愛の先輩であるかわいこちゃん「バニ美」と共に合コンやら婚活パーティやらに行き始めたばかりの頃…
モテ女、バニ美
「合コンや紹介だけでなく、ネットのお見合いもやってみよう!」と持ち前の勇気を発揮しネットお見合いサイトに登録。
そのころネット婚活はいまほどメジャーじゃなくて
「ヤッホー☆おれナオキっていいます♪今夜ヒマ????」
みたいなチャライ雰囲気の◯ッピー◯ール野郎がゴロゴロいたのね。
そのなかで丁寧なメッセージをくれた方が!
某有名な機械メーカーに勤める裕之さん(仮名)は堅実な印象。メッセージもちゃんとリレーできたので、やりとりを続けて2週間後の週末に会ってみることに。
当日、駅で待ち合わせをしていると
「ナナコさんですか?」
現れたのは、なんとも 無難な雰囲気 の男性!!
( 思っていたとおり、無難だ!無難が来たぞ!! )
the無難
服は全身SHIPSで白シャツに9分丈のベージュのチノパン、素足にスリッポン的な靴。
髪の毛は自分で流れを出してセットしているけど後頭部はうまくセットできていない。
若い男性が読む雑誌で「初デートはこれを着ていくべし」と紹介されていそうなBUNANないでたちです。
ただこの無難なタイプは過剰にモテないしかといって不潔なわけでもないので、婚活界においては高物件なんであります。
顔も思ったとおり、特に心に残らない感じのさわやかさだし…
これは期待できるかも?!と思って裕之さんが予約したレストランに向かいました。
しかし、レストランに向かう道のりですでに異変が。
2人「…」
私「今日は晴れてますね~」
裕之「そうですね」
2人「…」
私「(緊張してんのかな?)JRで来たんですか?」
裕之「そうですね」
2人「…」
私「わ、私はメトロで来ましたよ! 裕之さんは今日行くお店に行ったことあるんですか?」
裕之「な、ないです…」
2人「…」
( こ、これはやばいかも、、、 )
やばさは的中。
レストランについて食事が始まっても、Mr.BUNANはメールのときにはあったコミュニケーション能力をすべてお家に置いてきてしまったようでした。
私はどちらかというと男性の話を聞くほうが好きなので、この無言攻撃は非常につらい。
彼は沈黙する男だったのです。
おそらく理系の彼は初対面の女性が苦手なのでしょう、全く目を見てくれません。
フツーご飯食べてたら、これ美味しいねくらい会話するやろ!! というツッコミが頭のなかでこだましました。
私が話をふり、彼が「そうですね」で返す。
それ以外の時間、彼はひたすら貝のように沈黙しながらイタリアンを食しています。
ここまでの沈黙野郎とは婚活を始めてから出会ったことがありません。
誰か、近くの村でやまびこ草を買ってきてくれ!!
1時間経過。。
苦行であった沈黙レストランも、おしゃべりせず食事に没頭したせいかすぐに食事が終了し早々に解散です。
裕之さんと私は駅まで沈黙・無表情で歩き、そして別れました。
( …なんだったんだアイツは。)
結局、私のことが一目見て気に入らなかったのかなと思うことにしました。
家についてあー疲れた、、と休んでいたら、なんと裕之さんからメールが!
な、なんだろう…
「ナナコさん、今日はありがとうございました。とっても楽しかったですね♪次回は映画でも観に行きませんか?(^o^) 」
!?
( えええええ!? )
メールは普通にできてるじゃないか!しかもデートに誘われている。「(^o^) 」だって。
明らかに楽しい会じゃなかったのに「楽しかったですね♪」て。謎過ぎる。
もしかしたら極度の緊張しいなのかも…
もしかしたら普通にしゃべる日がやってくるかも…
一縷の望みにかけて、よしときゃいいのにデートに向かうナナコ。
続く
《本日の学び》
話が盛り上がらなくても不安になるな
盛り上がる=気に入られてる ではないからね。
ただ、女の子の場合はほぼイコールだから気をつけて!