婚活怪奇ファイル〜お食事編5〜「料理をふるまうオトコ」
こんばんは、ナナムラナナコ独身30代、貧乳です。
私には一見胸のようなものが付いていますが、あれは8割方パッドですからね。カッパカパですからね。
ああ、、生乳が欲しい。(せいにゅうではなくナマチチですよ)
今回は引き続きご飯ネタです。
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あれは婚活を始めた5年以上前の出来事。
割とショッキングな出来事だったのでよーく覚えている。
彼氏と別れ落ち込んでいた私に、女友達のAちゃんが「彼氏の友達を紹介するね!」と言ってくれた。
なんと素敵なカップル!
こういう時、女友達は頼りになるなあ〜ありがてえな〜
感謝の気持ちで涙を流しながら、友達のAちゃん・Aちゃんの彼氏・私・そしてもう一人の男性の計4人でお食事会を開催してもらった。
紹介された男性は「マシマさん(仮名)」と言った。
マシマ!!
マシマさんは都内の専門商社に勤める、当時27歳くらいのさわやかボーイであった。
初めてお会いしたときはスーツで茶髪の若いアンチャンといういでたち。北陸生まれでスレてないピュア感が好印象だった。
マシマさんには弟が2人いて、一緒に住んでいるらしい。彼は頼れるお兄ちゃんなのである。
弟たちはイメージです
お食事会では、料理の話題になった。
Aちゃんの彼氏(以下彼氏さん)「ナナムラさんは料理とかするの?」
Aちゃん「ナナコするよねー?」
ナナムラ「は、はあ・・人並には・・(50%の確率で失敗作ですがね!)」
彼氏さん「へえ〜!あ、マシマは料理上手って聞いたけど」
Aちゃん「えー!そうなんですか?」
マシマ「あー、料理好きですよ。いつも弟たちに作ってるし」
一同「おー!」
弟たちに手料理を食べさせている。これはポイント高いですよ!
あんちゃんですよ。
『心にダムはあるのかい?』ですよ。
ナナムラ「いつも作ってたらお上手なんじゃないですか?」
マシマ「う〜ん・・確かに、実は自信あります・・!」
一同「おー!!食べたーい!」
マシマ「・・じゃあ今度うちに食べに来ます?」
一同「おーーー!!(歓喜)」
そんなこんなで「腕に覚えあり」のマシマ宅へ、手料理をご馳走してもらいに行くことに。
とある土曜日。
同じメンバーでマシマさんと弟2人が住む家に遊びに行った。(弟たちは外出中)
家に招き入れてくれたマシマさんは、スーツの時と雰囲気が違いギャル男っぽい私服であった。
チャラさとピュアさのコラボレーション!
服は109メンで買ってる感じですね。
住まいは簡素な感じのマンションだったが、男3人の部屋にしては綺麗にしてあった。
マシマ「そこに座って待ってて〜今からカルボナーラを作ります。」
ダイニングテーブルに案内され、座ってマシマさんの料理を見守る私達。
ウキウキである。
しかしよく見ると、マシマ宅は3人で住んでいるそこそこ広い家であるにもかかわらず、キッチンは「1ロコンロ」。
しかも古めの電気コンロであった。
※イメージ
・・・良いんだけどね。1口電気コンロのマンションなんて珍しくないし。
でも料理しにくいんじゃないかな・・
1口コンロのキッチンは、経験者なら誰しもわかると思うが非常に調理しにくい。
「ハンバーグを焼きながら味噌汁を温める」
「お湯を沸かしながら目玉焼きを作る」
みたいな真似ができないのである。
古い電気コンロともなると、さらに難易度は上がる。IH対応鍋等を使っても熱の伝わりが弱いのだ。
時間をかけて1品目を作っては冷め、2品目を作っては冷めである。
ま、パスタであれば無理ではないでしょう!慣れてるようだし。お任せしよう。
さあ!調理スタート!
ジャー!
トン・・
トン・・
トン・・
与作が木を切るようなノンビリした音が聞こえてくる。
後ろ姿を見ている限りわからないが、どうやら玉ねぎを切っているようだ。心なしか手つきがおぼつかない。
というか手先が震えている
これではあっという間に日が暮れて、女房の待つ家に帰れないではないか。 (与作目線)
一同「・・・(だ・大丈夫だろうか)」
ナナムラ「な、何か手伝いましょうか?」
気を利かせて席を立ち聞きに行くナナムラ。
我ながらよくできた女である。
マシマ「大丈夫!座って待ってて☆」
そりゃそうだ。狭いキッチンにはマシマさんが立つスペースしかない。
彼は背が高いのだ、さらにチャラついた格好に茶髪で後ろ姿はさながらもこみちのようである。
MASHIMA'Sキッチンだ。
本家。ピュアさが一切ない。
しかし、後ろ姿は似ているものの、手際は見たところあまりよろしくない。
もこみちのように素早く野菜を切ったりオリーブオイル垂らしたりはできないようだ。
なんたって
ヘイ
ヘイ
ホー
だからな!
マシマさんの手元を見て私たちは急に心配になってきた。
先ほどまでのテンションは嘘のように消え、マシマ宅の頭上に暗雲が立ち込める。
彼氏さん「よ、よーし昼飯はマシマに任せて俺たちは場を暖めようぜ!」
Aちゃん「それ全然役に立ってなーい!(笑)」
ナナムラ「あはは・・」
良いカップルだな・・感心しているナナコ。きっと私に気を使ってくれているのだ。
今思うとAちゃんカップルは精一杯場を盛り上げて、私とマシマさんの恋路を応援しようと思ってくれていたにちがいない。
すばらしい友情、感謝感謝である。
あまり心配していても仕方ない。
弟2人にご飯を作っている腕を信頼して、我々はUNOでもやっていよう。
大人のUNO(しかも少人数)は、血で血を洗うような争いであった。
ドロー2、ドロー4、リバースなどのカードが乱発し、お互いへの怒りは増幅していく。あんなに朗らかだったAちゃんたちも、交わす会話が怒りに満ちている。
七並べに比べればまだ平和
私たちはUNOに夢中になった。
そうして約45分が経過し、なにやら香ばしい香りが部屋に充満し始めた。
・・ってか、何か焦げている?
見るとMASHIMA'Sキッチンはもう終盤。マシマさんがブンブンとフライパンを振っていた。
・・あれ、カルボナーラってあんなにフライパンで炒めたりするっけ?
そうして、特製カルボナーラができあがった!
完っ成でっす!!(マチャアキ風)
マシマ「みんな、カルボナーラできたよ!」
一同「おおー!すごーいありがとうマシマ・・く・・ん」
・・・
これは。
まずそうだ。
カルボナーラを作ると言っていたが、完成品の見た目は明らかにカルボナーラではなかった。
充分に熱を加えたせいか乳成分と卵が凝固し、さらにクリームソースが焦げて茶色がかっている。
簡単に言うと、パスタの上に何か凝固したソース(薄茶のあんかけのようなもの)がかかっているのである。
きょ、、巨匠…
これは…
「さよならと書いた手紙〜 テーブルの 上に置いたよ〜」
名曲です
巨匠の名曲が頭にこだまするほど、私達は狼狽し、逃げたい気持ちでいっぱいだった。
一同「い、、いっただっきまーーす!(ひええええ)」
恐怖に震えながら、フォークを持ち食べ始める。
マシマ「おっうまい!」
まずパスタを口に運んだマシマさん。自画自賛である。
舌バカのマシマ
一同「(そ、そうなんだ・・!)」
故意ではないがマシマさんに毒味させる形になってしまった我々。
作ってもらっておきながら、誰も最初に箸をつけないなんてひどいぞ!
このパスタ、見た目は我々の知っているクリーム系パスタとは違うが、マシマ氏の反応を見るになんらかの化学反応が起きて美味しい食べものになっているのかもしれない。
そうだ。
ケミストリーだ。
このスパゲッティはUNOプレーヤーの前に現れた堂珍川畑なのだ(意味不明)
このクリームソースに浮いている焦げのような物体は”半端な夢のひとかけら”にちがいない。
ふいに誰かを傷つけてゆく
そうだ!
私たちは、マシマの「PEACES OF A DREAM」をいただこうじゃないか!
一同「パクッ」
・・う・・
マズイやないか・・
元はクリームだったギトギトのあんかけが、思った通り謎の味わいを醸し出している。
なんだこれは。
味はソースが煮詰まってとても濃く、焦げ臭かった。パスタは茹ですぎというか時間を置きすぎでふにゃふにゃである。
マシマの舌は、いや、マシマ3兄弟の舌は一体どうなっているんだ・・
AちゃんとAちゃんの彼氏も、顔が青ざめている。
驚きのまずさなのだ。
しかし
彼氏さん「うまいっ!」
Aちゃん「さすがマシマくん!」
ナナムラ「すごく美味しいです〜」
悲しいことに、我々は大人だった。
UNOで血で血を洗う争いをしていた私たちも、マシマさんの純情と優しさを壊すわけにはいかなかった。
私たちはなんとかこの「クリームあんかけソフト麺」を流し込んだ。
マシマさんは、みんなに褒められて嬉しそうであった。
手伝えばよかった・・
心の底から、すべてをマシマさんに任せ UNOに興じた自分を呪った。
これでは「マシマズキッチン」ではなく「メシマズキッチン」である。
マシマさんが非常に好青年だということは痛いほど伝わったが、胃弱な私は尋常じゃない胃もたれに襲われたのは言うまでもない。
《本日の学び》
男性に初めてご飯を作ってもらう時は、できるだけお手伝いしましょう。
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